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ここに予告もなく登場する横穴掘り2号機とは何者なのかです。
それは、中低域用新型アンプ2号のことです。
◆経緯説明
◇初代中低域用新型アンプ(1号機相当)
そうすると、中低域用新型アンプ(1号機相当)とはどんなものだったのかとなります。
これは、現在の高域用、中高域用新型アンプ(それぞれ、A,Bと呼んでいる)の延長で作ったものでした。
回路的な違いは、フィルム・コンデンサーC4,C5をA:400V 5μF、B:400V 10μFに対して、100V 30μFとしたものでした。
しかし、何しろ、ユリアンナ・アウデーエワのピアノ曲が響き過ぎます。
◇新設計低域用新型アンプ
このため、友人が低域用として設計した同じ新型アンプを中低域用に使うことにしました。
その設計上のA,Bとの違いは±2電源方式、大容量の電解コンデンサーの使用などでした。
そして、検討の結果、低電圧電源(Vac=7.5V×2)、高順伝達アドミタンスのFET 2SK2955/2SJ554を採用し、これに初めて横穴掘り方式を取り入れました。
また、これをそれまでの中低域用新型アンプと区別するために、中低域用新型アンプ2号と名づけました。
◇横穴掘り方式の先駆け
つまり、中低域用新型アンプ2号は横穴掘り方式の先駆けであり、横穴掘り1号機となるものです。
しかし、これまで、中低域用新型アンプ2号と呼んでいたことから、混乱を避けるために、横穴掘り2号機と呼ぶことにしました。
◇ピアノの音
ところで、ユリアンナ・アウデーエワのピアノ曲が響き過ぎるのは、中高域用新型アンプの特徴だったのかです。
BS放送録画番組のこの曲は、帯域バランスの設定によっては、今の中低域用新型アンプ2号でも響き過ぎると感じることがあります。
これは、もともとこの曲の録音が響き過ぎること、C4,C5の電圧成分(i/ωC)が帰還に取り込まれることの両方が考えられます。
しかし、このピアノの響き過ぎのお陰で横穴掘り方式のアイディアが生まれたわけですから、ピアノの響き過ぎもありがたい神の思し召しとなります。
◆課題
この後続機である横穴掘り3号機、4号機(何れも低域用)のその後の改善点の主なものに次のようなものがあります。
1 |
横穴に挿入しているφ1.2mmの銅線を同径の銀線に変更した。 |
2 |
VF温度センサーをDO-35型→DO34型に変更した。 |
3 |
銅放熱板やデンカシートを使用し、FETのタブ〜放熱器間の熱抵抗を下げた。 |
4 |
出力の配線を太くした。 |
これらの中で重要なものを横穴掘り2号機に展開しようと言うのがこの記事の狙いであり、新型アンプの帰還減らしの延長にあります。
しかし、「新型アンプの帰還減らし」の記事数が130を超えるので、新しく「パワーアンプの見直しの目次に横穴掘り2号機」を加えることにしました。
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◆参考(回路構成)
「新型アンプの帰還減らし/まとめ/中低域用新型アンプLM2号(2014.3.18)」の基本回路を図1に、主な回路部品を表1に示します。
表1:主な回路部品
項目 |
定数 |
備考 |
整流電源 |
±9.5V |
7.5Vac 2巻線の整流 (ノグチ PMC-TR1) |
電解コンデンサー |
19V (+〜−) 63V 47000μF |
Nippon Chemicon |
π型フィルター抵抗 |
3W 0.1Ω×2 |
電源の±に接続 |
C4,C5 (電解コンデンサー) |
16V 47000μF |
Nippon Chemicon |
16V 22000μF |
16V 47000μFに並列接続 |
フォトボル |
TLP590B |
TOSHIBA |
フォトボルの平滑 |
3.3μF//3.3μF |
ニッセイ |
フォトボルの負荷 |
330kΩ |
ニッコーム |
その他の抵抗 |
- |
ニッコームまたはBISHAY |
プロテクター基板 |
オリジナル (新基板) |
24Vac電源トランス使用 |
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図1:LMの基本回路 Rnf1=22kΩ,Rnf2=1.6kΩ、Rin=510kΩ |
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図2:横穴掘り2号機の電源回路
C4,C5:47000μF、C2,C3:22000μF、C1:47000μF |
初版 2014.11.27
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