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ハイブリッド・フィルターへの展開
Deployment to hybrid filters
 半月かけて、37ある記事を「理屈と展開」に移動し、編集を終わりました。
その半月の編集中に、並行して、新たに書き加えた記事があります。
その新たな記事を、もう一度読み返し考えると、まだ、「理屈と展開」に何か書き足りないものがあります。
そして、最後に書いた「ご先祖様の思し召し(2020.10.21)」も、同様です。
何なのかと言えば、それは、「ハイブリッド・フィルターへの展開」というキーワードです。

そこで、半月の15の記事を、この「ハイブリッド・フィルターへの展開」に束ねて、書き足りない部分をこの目次に書き加え残すことにしました。
なお、内容的には、「理屈と展開」の再編集のようなものです。
したがって、重複する箇所が多々ありますので、ご容赦下さい。

◆L帯のパワーアンプの問題点

◇入力インピーダンス
L帯のパワーアンプの問題は入力インピーダンスが4kΩと小さいことです。
また、「位相補正回路など」の実験を重ねましたが、うまくいかずに撤退しました。
上手く行かなかったのは、L帯のパワーアンプのこの入力インピーダンスが4kΩしかなかったためです。
そこで、入力インピーダンスを上げるために、Rnf1/Rnf2を240kΩ/2.0kΩ⇒2.7MΩ〜3.3MΩ/20kΩとして、入力インピーダンスを25kΩまで上げることに成功しました。

◇帯域幅
しかし、入力インピーダンスが上がった半面、帯域幅160Hzに狭まりました。
”神は二物を与えず”とは、よく言ったものです。

◇出力インピーダンス
ウーファーを駆動している我が家のパワーアンプは、”低負帰還”パワーアンプです。
その出力インピーダンスは1.5Ωもあり、長年、出力インピーダンスを下げるために工夫して来ました。
しかし、利得を上げ、かつ、出力インピーダンスを下げるとなると、今のところ、利得34.5dB、出力インピーダンス1.5Ω(100Hz)が限界です。

◇意思あるところ
ある日のこと、サイクリング中に行き止まりになっている遊歩道に出くわしました。
見上げると、崖の上には平地があるように見えます。
そこで、膝の上まである雑草をかき分け、自転車の後輪を抱えて崖を登り切ると、そこは農園が広がっていました。
そうなんです。
「意思あるところに道は開ける」と気を強くします。
また、行き止まりの遊歩道には、輪を抱えたオブジェがいました。
その後、オブジェは一人のカカシと分かりましたが、筆者は、カカシのエールに、ずいぶん勇気付けられたものでした。「アッテネーターの帯域比の見直し/音のビジョン(2020.2.15)」、「ドライバーの並列抵抗/CDの試聴(2020.8.4)」参照

◆ウーファーの直列接続
インターネットで調べると、世の中の常識は「並列接続」です。
しかし、常識に逆らい、「直列接続」を行ってみると、聴感上のダンピングの改善は顕著です。
これは、世の中のパワーアンプが”高負帰還”であるのに対して、我が家のパワーアンプは”低負帰還”です。
ちなみに、出力インピーダンスは、前者の0.1Ω以下に対し、後者は1.5Ωもあります。
さて、直列接続によるダンピングの改善は、出力インピーダンスの変化が0.1Ω⇒0.05Ωに相当しますが、この変化は分かりません。
一方、1.5Ω⇒、0.75Ωの変化は顕著と言うわけです。
ところで、”高負帰還”パワーアンプでも、昔、直列接続の方が音がいいと言う話を聞いたことを思い出しました。
しかし、使っているアンプが不安定なパワーアンプの場合、何でもありです。「スピーカー・ケーブル(2004.5.6)・・・不安定なアンプは論外」参照

◆低域ブースト特性
L帯のパワーアンプの利得を10Hzまで測ってみると、低域に向けて利得が3dB上がり、あたかも、ピークがあるように見えます。
よくよく、考えてみると、帯域幅が160Hzのパワーアンプを基準周波数を100Hzとしていたことに問題がありました。
つまり、-3dBの下降点で諸特性を測っていたのです。
したがって、100Hz以下では上昇の途上にあり、30Hzに向けて、あたかも、+3dBのブーストになっています。(図1)
図1:L帯のパワーアンプの周波数特性例
理屈と展開/休憩より(2020.9.25)」より
◆位相の進み
入出力の位相差をディジタル・オシロスコープで観測すると、30Hzの点の位相は、100Hzに対して45度、160Hzに対して60度進んでいます。
位相補正回路など」のところであきらめていた位相補正が、帯域幅160HzのL帯のパワーアンプで、思いがけずに、実現していたことになります。

◆ハイブリッド・フィルターへの展開
以上の特性を積極的に使ったのが、L帯の「ハイブリッド・フィルター」です。
DF-65のL帯のLPFのfc=140Hz⇒400Hz⇒1000.Hz、LM帯のHPFのfc=140Hz⇒160Hzとして、思いがけずにL帯のハイブリッド・フィルター化が出来ていました。
同時に、位相補正回路を兼ねています。

◆耳の変化
高齢化により、「ビリャソンの歌うヘンデルのアリア」に出て来るセントポール教会の小鳥の”さえずり”音や、体温計の測定完了の”ピピー”音が聞き取れなくなっています。
すなわち、ツイーターは、もはや、なくてもいいような状態です。
このため、H帯のHPFのfc=6.3kHz⇒5.6kHzに下げています。
また、L帯のDELAYも幾何学的な設定値65cmを50cmにし、15cm進めています。

◆安全対策
L帯のパワーアンプに使っているトランスは、一次200V/二次24Vです。
また、平滑用の電解コンデンサーに150000μFを使っていて、突入電流の抑制を行っています。
これまでの実験では、2Aのヒューズは切れ、3Aのヒューズでも切れます。
そこで、やむを得ず、4Aのヒューズを使っています。
もしも、トランスの二次回路でショートが起きた場合、4Aのヒューズが切れる二次の電流は33Aです。
この対策は行っていないため、オーディオ・ルームを離れるときには、必ず、電源のスイッチ(カバー・スイッチ)を切るようにしています。
音がよくなり、最後に出て来るのがこの安全対策です。
そろそろ、重い腰を上げようと思っています。

◆システム設定
まだ、微調整の途中にありますが、変化は0.5〜1.0dBの範囲にあり、気分や、音源(ソース)に依存することが大と思います。

表1:システム設定表
項目 帯域 備考
L LM MH H
DF-65の
出力設定
dB +2.5 +4.0 +7.0 +10.5
スロープ dB/oct flat-6 6-6 6-6 6-flat
帯域 Hz pass

1000
160

1000
1000

5.6k
5.6k

pass
パワーアンプの
帯域幅
Hz 160 - - -
注1
100 - - -
注2
DELAY cm 50 0 103 100
DELAY
COMP
cm 0 0 3 4
フル・レベル
出力保護
- OFF
注1: 基準周波数を100Hzとした旧測定法
注2: 基準周波数を30Hzとした新測定法

◆歩きや、サイクリング

2020年10月21日 ◇歩き
車で海老名にあるフラワーランドに出かけて、ガザニアなどの草花を買った。
我が家の謎の花と同じ花を見つけた。
名札には、デージーとあった。
帰りに、座架依橋下のひまわり畑を見物した。
2700歩
◇サイクリング
夕方、北里大学の裏の小道を走った。
小道に、文房具、本屋があり寄った。
5.7km
2020年10月22日 ◇歩き
座間のケーヨーデイツーに行って、草花を買った。
1700歩
◇サイクリング
草花を庭に植えてから、夕方、平地走行のサイクリングに出かけた。
行先は落ちぶれ坂方面だったが、一つ先の晩年坂を、トップ・ギアで腰を上げて、得意気に登り切った。
7.2km
 写真1:座架依橋下のひまわり畑
写真2:ひまわり」畑に面したセイタカアワダチソウ
草花のライバル意識はものすごい。
 
写真3:我が家の謎の花の名前はデージーだった。
 
 ◆夜の試聴
BS放送録画番組を聞く限り、バランスを弄ることはほとんどないので、久しぶりに、CDを聞いてみました。
よくなったと満足するものもあれば、L帯、LM帯が強過ぎると思うものもあります。

◆続く
初版 202010.22
関連記事にリンク追加 2020.10.24
   
   
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