友人の設計・製作したFET2石式単純回路の無帰還パワーアンプの試作品をお借りしました。
今回の試作品は、特に、筐体に銅板を使い、FETは銅削り出しの密封容器に収納されています。
これは、FETのチップにGHzの電波ノイズが直接飛び込まないように、徹底的にシールド(超シールド)を施した設計になっています。
また、電源にはチョーク・コイルを使い、コモン・モードや、ノーマル・モードのノイズ・フィルターを駆使した高周波ノイズ対策が行われています。
さて、このアンプの試聴会は近くの友人宅で行われ、そのことを「ジリジリ音の正体/無帰還パワーアンプ(2017.1.6)」のところで述べています。
その音の感想は次の通りでした。
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さすが、「?方式」のスピーカーです。 頬を膨らませながらトランペットを吹く演奏者の顔が見えるようでした。 おまけにです。 スピーカーの間隔の倍以上にステージが広がって、かつ、定位がちゃんとあることに驚きました。 また、試聴位置が偏っても、ステージ感は変わりません。
これは無帰還アンプのよいところです。
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なお、この催しは、上記のように「?方式」のスピーカーを無帰還パワーアンプで駆動すると言うものでした。
筆者の感動は、もっぱら、無帰還パワーアンプの演奏空間の広さでした。
これが眠っていたパワーアンプの帰還減らしに火を付けました。
そして、LM帯の横穴掘り2号機の利得は21.0dB⇒24dB⇒25dB⇒26.5dB⇒28.5dB⇒31.5dB⇒28.5dB、L帯の横穴掘り3号機は31.5dB、4号機は31.5dBになっています。
しかし、帰還を減らすにつれて、特に、LM帯の2号機の負荷である高能率のホーン・スピーカーから出る”フーフー、スー”と言うノイズが大きくなりました。
しかし、このノイズはゲート駆動回路に使っている定電圧ダイオードに原因があるので、低ノイズの定電圧ダイオードを使い解決しました。
また、”フーフー、スー”と言うノイズがなくなったばかりでなく、2号機は無帰還まで0.4dBに迫るところまで帰還を減らすことに成功しました。
その結果、困ったことになります。
利得は32.5〜33dBになり、他の帯域のパワーアンプの利得(21.5dB〜22dB)とバランスが取れなくなりました。
その点、超シールドの利得は20dBですから、もってこいです。
ところが、超シールドにも問題があります。
それは、ソファーからも聞こえるハム・ノイズです。
このとき、超シールドは借り物のでしたが、友人から”どうぞ、ご自由に弄って下さい”の了解を得て、2号機の「トランスの変更」シリーズの中で改善を進めたました。
そして、超シールドのハム・ノイズ対策の関連記事を目次に束ねて整理したのがこの「超シールド」です。
結局、超シールドのハム・ノイズは、エアコンの騒音にかき消されるレベルになり、一段落しするとともに、アンプ・ラックのLM帯に”本格的”に居座ることになりました。 |