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帯域幅の見直し
Review of bandwidth
 
 これまで、「帯域幅の見直し」と言うタイトルは何度か使っていますが、そこの基本的な考えは、「ノイズの観点で帯域幅の上限は広げない方がいい」でした。
その理由は、「録音された音楽信号に20kHz〜30kHz以上はないし、あるのはノイズである」と言うことでした。
確かに、帯域幅を狭めると、無線LANなどの電波ノイズが作るジリジリとした音が軽減されます。
しかし、ここに来て、電源のリカバーリー時に発生するスパイク・ノイズが無帰還アンプの無信号時の出力電圧にあることが分かり、これをSBDを使ってなくしました。
その結果、まったくジリジリ音などの違和感のない音になりました。
酷くなる一方の電波環境にあって、色々な音の悩みを切り抜けて来た無帰還アンプですから、それは、もう、苦心の作品です。
ちなみに、MH帯のパワーアンプでは使用帯域上限の7.1kHzに対して、帯域幅を、わざわざ30kHzに狭めています。
また、LM帯のおいては、使用帯域125〜900Hzに対して、パワーアンプの帯域幅は4kHz〜5kHzしかありません。
つまり、パワーアンプの帯域幅上限は使用帯域幅上限の4〜5倍としています。

そんな中、友人の設計・製作した超シールドの無帰還パワーアンプをお借りする機会がありました。
我が家に来たこの超シールドの帯域幅を測ると、100kHzです。
また、この超シールドも、SBDによりスパイク・ノイズをなくしました。
そして、超シールドをLM帯に配置した音には、過ってないほどのチェロのみずみずしさがあります。
そこで、やるべきことは、帯域幅の見直しです。
すなわち、SBDにより、無信号時の出力電圧からスパイク・ノイズをなくした今、帯域幅を広げても、昔のようにジリジリ音は聞こえないだろう。
さっさく、パワーアンプの帯域幅を広げることにしました。
写真1:夕方の散歩道「パワーアンプの帯域幅」より
猛暑の中、ミンミン蝉、蜩、アブラゼミが鳴き、
家の内外ともに、音的には、爽やかな夏だ!

初版 2017.9.3

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