以前から気になっていたことに、アース線上における信号電流と帰還抵抗電流の重畳(変調)があります。
この対策としては、もう一度アースを見直す手もありますが、苦労して作り上げたアース法だけに、やり直しには抵抗があります。
簡易な手段としては、「信号電流/帰還抵抗電流」の比を大きくし、信号電流を増やすか、帰還抵抗電流を減らせばいいわけです。
そこで、帰還抵抗を大きくしてみようと考えました。
帰還抵抗を3.3kΩ→10kΩ→33kΩ→100kΩとしてみると、ピアノが美しく輝き、何故か破裂音がよく出ます。
どうも、アース線上の変調説は当たっているようです。
自説が正しいことに気をよくして、「帰還をかけ過ぎると音によくない」という話も気になり始めました。
素人は、何事も体験しないと納得しません。
日頃から、「帰還をかけ過ぎると不安定になり、その結果音が悪くなるので、安定なら音は悪くならないだろう」と思っていました。
早い話が、「帰還をかけて何が悪い」と言うわけです。
そこで、帰還をかけ過ぎる実験をしてみます。
確かに、チェロの音が冷たく、響きがありません。
帰還のかけ過ぎは音によくないことを目の当たりに体験しました。
しかし、アース線上の変調説が間違いと言うわけではありません。
今度は信号電流を大きくする、すなわち、入力抵抗を減らしてみようとなります。
ところが、入力抵抗を33kΩ→10kΩとしてみると、これは自説の通りには行きませんでした。
それは、入力抵抗以外に、フィルター定数も変えたことも一因でしょう。
当然、後戻りとなり、むしろ、話はこの「帰還減らし」へと展開しました。
今の段階では、帰還減らしの音はよさそうですが、何時ものことながら、結果はどうなるかわかりません。
なお、この「帰還減らし」は、「利得の見直し/帰還減らし(2012.3.7)」〜「その音(2012.3.17)」までを再編集し、一部タイトルを見直したものです。
また、タイトル名にある利得は基板の利得で統一しました。 |